私の庭の写真集

  おもいおこせば

虫めづる姫君 堤中納言物語の中に出てくるお姫様です

平安時代でしょうか  蝶よ花よと育てられ
優雅に歌を詠み弦を奏で・・・うるわしの姫君として
殿方から求愛される・・・側には立たず 
蝶よ花よと 毛虫を クモを ムカデを カエルを ??? 
そう 虫たちを愛する側に立ったご様子

日本文学に最初に登場した昆虫愛好少女なのです

     ああ 大嫌いだった 古文のお勉強!
     だけど ちょっとだけ・・・
        めづる  愛づる 
          そう 愛するという意味のようです

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春とは名ばかり つかの間の日だまり ベンチ
ランチがわりのドーナツで 砂糖まみれ油まみれの指
もてあまして眺めてると
ふいっ テントウムシが指にとまったのでした
指の甘さ? 指の暖かさ? 
仲良くひなたぼっこの一時
愛でられてる(?) おもはゆく はれがましく
人差し指つきたてたまま座り続けたのでした

行き交う人少なくもないキャンパスで
冷たい空気に向かって突き立てたままの人差し指
テントウムシ愛づる気持ちもかなり試される状況に
なってきました

七つの星を身にまとったレイディバード
ゆっくり わたしの指まわりこみ
てっぺんに身を置いた後 
ふいっ春の空へ


てんとうむし 指にとまらせ 春の空駆けた


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     長い黒髪耳に挟み込み
      虫たちとの世界に身置こうとする
      平安の姫君のシルエット
      ちょっと嬉しく思いおこさせてくれた 
      テントウムシ込みの今年の春の庭なのでした

春の庭・春の花
   目次


ラナンキュラス

虫めづる姫君